HDUについて

HDUについて

HDU(ホンダ販売労働組合/通称:ホンダディーラーユニオン)は、2004年8月に、組合員にわかりやすく理解される活動をめざし、それまでの全国9地区にあった労働組合をひとつに統合し誕生しました。現在は13,000人(2024年6月時点)の仲間とともに21年目の活動に向かっております。

第11期前半期の活動を振り返って

 2024年元旦16時10分頃、石川県能登地方を震源として発生した地震により甚大な被害が出ました。 

 私たちHDUの組合員ご本人には、亡くなられた方はいらっしゃいませんでしたが、ご家族がお亡くなりになられた方もいらっしゃいます。また、お住まいに被害にあった方や、一時的に避難生活を余儀なくされた方も多くいらっしゃいます。
 お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されたみなさまに心からお見舞いを申し上げます。

 令和6年能登半島地震への対応として、上部団体である自動車総連や全本田労連からの災害支援にくわえ、HDUとしても福祉カンパを財源とする災害支援積立金から見舞金を拠出し、被災された石川県、富山県、新潟県にお住まいの組合員・従業員の方々へ直接お会いし、自動車産業で働く仲間からのお見舞金をお渡しさせていただきました。

 今後もHDUとして被災地に寄り添いながら活動をすすめてまいります。

 

私たちを取り巻く環境①

 2023年度(4~3月)の国内の新車販売状況を振り返ると、前年度比3.3%増の452万8,668台となり、2年連続で前年度を上回りました。
 年度の前半は、各社にあった受注残の解消がすすみ好スタートを切りましたが、一部の車種の受注停止の影響が残ったほかに、年末から続いたダイハツの完成車出荷停止の影響が大きく響き、年度を通じては前年から微増にとどまる結果となりました。

 そのようななかHondaの販売状況としては61.1万台と計画・前年比ともに上回りました。
 N-BOXが20万台超え3年連続の車種別NO.1を獲得できたことは明るいニュースですが、メーカー別の販売台数や販売シェアでは、1位のトヨタが143.9万台シェア31.8%、2位のスズキが67.4万台シェア14.9%、つづいて3位がHondaで61.1万台シェア13.5%となり前年度の4位から順位は一つ上がったものの、2位のスズキとの差は6.3万台程あることにくわえ、ダイハツは出荷停止影響により、前年度から14万台程台数が落ち込んでいることを加味すると、評価が難しい結果になったと受け止めております。

 このような、Hondaの販売状況をみるとたいへん厳しい環境であったと認識していますが、そのようななかでも連結販社の経営状況は、さまざまな要因での経費の増加分があり、基盤収益経費カバー率90.3%(前年実績93.0%、前年比△2.7P)となりましたが、売上高の増加に伴い総粗利も増え、営業利益額358.5億円(前年実績339.0億円、前年比105.5%)営業利益率4.2%(前年実績4.4%、前年比△0.2P)と前年度に引き続き過去最高の営業利益額となりました。
 これは、さまざまな要因で経費が大幅に増加するなか、職場のみなさんが日々、創意工夫をしながら弛まぬ努力を積み重ねてきた結果であると受け止めております。あらためて、職場のみなさんに感謝と敬意を表したいと思います。

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第11期前半期 活動の進捗

 この第11期前半期の基本方針を策定するにあたり、私たちを取り巻く環境から将来の姿をしっかりと見据えて「職場の魅力向上」と「組織・活動の最適化」を基本方針に掲げ、さまざまな活動に取り組んできました。

 多様性の受容と活躍を目的としたさまざまな会議や委員会の開催については、本部主催の多様性委員会として今年4月に実に5年半ぶり5回目となる女性組合員を対象とした「HDU Advance women meeting 2024」を開催することができました。開催に向けては本部・支部役員が相互に意見を出し合い企画・立案を行うことで、多様性の受容について理解を深めることにつながったと捉えております。くわえて、前期に引き続き多くの支部で「年代」「性別」「職種」「国籍」などさまざまな方を対象とした会議や委員会を開催し、多様性の受容につなげることができました。

 2024年春闘に臨むにあたり、昨年から起動した「構造的な賃金引き上げ」の実現に向けた歯車を、今年以降も確実に加速できるかどうかに、日本経済の趨勢・未来がかかっていると認識し、今年の春闘を通じて経済も賃金も物価も、安定的に上昇する経済社会へと転換をはかり、デフレからの脱却と「賃金と物価の好循環」「成長と分配の好循環」の実現につなげていくことが、労働組合としての社会的責務だと強く意識し取り組んできました。
 結果として、賃金引き上げは全組合員平均13,000円の回答となり、一時金は昨年に引き続き全支部5ヵ月以上の水準を確保することができました。このことは大きな成果と受け止めておりますが、この結果を生み出せた最大の要因は、職場の一人ひとりの努力や頑張りにほかならないと考えます。

 前半期活動の進捗としては、統合による販社の大規模化による支部体制の変化により、組合活動への影響があるなか、掲げた基本方針を意識し、さまざまな活動において一歩前進することができた一年であったと受け止めます。

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第11期前半期の活動に向けて

私たちを取り巻く環境②

 2024年の世界経済情勢は、大幅な減速を回避し緩やかながらも成長軌道を確保していますが、今年はとりわけ米国経済に左右されるといわれています。
 現在、米国経済はハイペースでの移民増や産業政策を追い風とする堅調な設備投資を背景に、既往の金融引き締めによる需要抑制が顕在化するなかでも2%前後の高成長が続くと予測されていますが、今年11月の米国大統領選挙の行方により大きく影響を受けると予測されています。
 選挙の結果でハリス政権が誕生すれば、基本的に現行政策の継続が予想されますが、トランプ政権となると大きな政策変更が予想されています。

 「トランプ政権×上下院共和党多数」の場合には中国に60%超、その他の国に一律10%の関税措置と移民規制強化が実行される可能性があるため、輸入物価高や労働供給減少で再び物価上昇が加速することで、米国経済が下押しされると予測されますし、「トランプ政権×ねじれ議会」の場合は一律10%の関税措置は実行されないとみますが、対中追加関税の影響で世界経済が下押しされることには変わらないと見込まれています。

 日本経済は、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響などからマイナス成長に転じ、景気は踊り場と判断されていますが、生産・出荷は段階的に再開されており、先行きは内需主導の成長軌道に復すると予測されています。

 2024年春闘における賃上げ率が前年を大幅に上回ったことで、実質賃金は今年度後半に前年比プラスに転じる見込みであり、個人消費は実質賃金の回復にくわえ、6月の定額所得減税・消費者マインドの改善も下支えとなり、持ち直しに転じると見込まれています。

 また、デジタル化・脱炭素・サプライチェーン強靱化に向けた取り組みや人手不足対応などは不可欠であり、企業の設備投資は拡大傾向が続き、輸出はインバウンド需要の拡大や半導体サイクルの好転などにより増加傾向を維持することから実質GDP成長率は前年比+0.6%と予測されています。

 日本経済の好循環実現に向けた注目点として、景気回復の牽引役となる個人消費の動向と、その回復の強さを左右する賃金の先行き、いわば賃金上昇の持続性が挙げられています。

 「人への投資」と月例賃金の改善を中期的に継続することの重要性として、物価を安定させ、積極的な人への投資によって実質賃金が継続的に上昇し経済が安定的に上昇するステージへの転換を確実なものとするためには、賃上げの流れを中期的に継続していくことが不可欠と考えます。
 多くの人が生活向上を実感し、将来への希望と安心感を持ててこそ、経済の好循環が自律的に回り始めるといわれており、現在の局面はステージ転換の入り口にすぎないと考えます。

 この動き始めた賃金、経済、物価を安定した巡航軌道に乗せていくためのマクロの経済社会運営と、労使による未来志向の労働条件決定がこれまで以上に重要になることから、私たち労働組合の役割もさらに大きくなると認識しています。
 今年の春闘の取り組み結果は先ほど触れましたが、来年の春闘においても、賃金引き上げなどの取り組みの意義や重要性を肝に銘じ、日本のよりよい未来を切り拓いていく、そのような矜持を持ち活動をすすめていきます。

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第11期後半期の活動にあたり

 第11期後半期の活動にあたり、引き続き「職場の魅力向上」と「組織・活動の最適化」を基本方針に掲げ、さまざまな活動を推進していきます。

 Honda Carsが縮小市場の日本で勝ち残るためには、一人ひとりのやりがいを高め、自らの行動で企業価値や企業体質を向上させる必要があります。
 そのためにも、一人ひとりのやりがいにつながる労働条件の向上をはじめとした職場の魅力をさらに高めることが、これまで以上に重要と考えます。
 さらには連結販社のみならず地場販社や同業他社にも影響を与え、自動車販売業そのものの魅力向上にもつなげていく必要があると考えます。

 今年4月より、HDUがあるすべての連結販社が統合などによって「ホンダモビリティ」へと社名が変更になり、かねてからすすめていた国内の連結販社再編に一つの区切りがつき、全国的に1ブロック1社体制へと移行しています。
 また、販社の大規模化に合わせてカンパニー制の導入といった組織運営体制の大幅な変更も同時にスタートしています。これらを見越して、HDUの組織体制も見直しをはかり、来期から新たな組織体制をスタートさせる予定です。
 この後半期は、新たな組織体制を見据え現在の組合活動全般をどのように実行していけるか、あるいは変化させる必要があるのかなど幅広い議論と検討をすすめる1年にしたいと考えます。

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政策制度・政治活動への取り組み

 日本の社会では、世界に先駆けて進行する人口減少のもと、超少子高齢化が進展し、生産年齢人口が毎年減少している状況にあります。
 このような日本の最大課題は「持続可能な社会の再構築」といっても過言ではありません。
 とりわけ、社会保障制度の再構築は先送りできない喫緊の課題です。また、雇用労働者の約4割を占める非正規雇用で働く仲間がいるという問題、環境問題や災害対策など、多くの社会課題に対して、将来を見据え現実的視点に立ってすすむべき方向性を見出す必要があります。
 このような個別労使では解決できない社会的諸課題に対しても傍観するのではなく、政策制度・政治活動への主体的な取り組みが必要と考えます。

 

 ホンダ販売労働組合は、2025年7月施行予定の第27回参議院議員選挙への取り組みとして「いそざき哲史」自動車総連組織内候補予定者を私たち仲間の代表として、全国の組合員や、そのご家族と一体となって支援していきたいと考えております。

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結成20周年を迎え

 HDUは、2024年8月を以て結成20周年を迎えました。結成以来、現在に至るHDUの姿は、これまで支えていただいたすべての関係者や、全国の組合員のみなさんとともに築き上げてきた歴史の延長のなかにあります。
 大きな変革が必要な時代のなか、これから組織として歩む道のりもHDUの歴史のなかに刻まれることを自覚し、組織の発展に向けてさまざまな活動を力強く前進させていきます。

 

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2024年9月
ホンダ販売労働組合
中央執行委員長 土肥 孝太

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